「なんか歯茎が黒いかも?」と気になっている方が多いのではないでしょうか。なかでも笑ったときに歯茎が見える方にとって、その黒ずみは悩みの種になります。
とはいえ、歯茎が黒くなる原因はさまざまで、単なる見た目の問題だけでなく、健康上の問題を抱えているケースも少なくありません。
この記事では、歯茎が黒くなる原因と対策について、歯科医師の立場から詳しく解説します。歯茎の黒ずみに悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
健康な歯茎の5つの特徴とは
本来、健康な歯茎には以下の5つの特徴があります。
- きれいなピンク色をしている
- 引き締まった弾力がある
- 歯と歯の間が三角形になっている
- スティップリングが見られる
- 出血や腫れがない
きれいなピンク色をしている
健康な歯茎の基本は淡いピンク色であり、それ以外の色は何らかの問題のサインかもしれません。人種や遺伝的な要因で、もともと歯茎の色素が濃い方もいますが、急に色が変わったなら注意してください。
例えば、赤すぎる、紫がかっている、黒ずんでいる場合は、何らかの問題を引き起こしている可能性が高いでしょう。なかでも歯茎の色が部分的に変わっている場合や、以前と比べて明らかに変化している場合は、歯科医院での検査をおすすめします。
引き締まった弾力がある
健康な歯茎はハリがあって引き締まっており、指で軽く押すと適度な弾力を感じるはずです。一方で、不健康な歯茎はブヨブヨしていたり、逆に硬すぎたりします。
歯茎が腫れていたり、押すと痛みを感じたりする場合は、炎症を起こしている可能性があります。歯茎の状態は口腔内の健康状態を反映しているため、弾力がなくなってきたと感じたら、歯周病などの初期症状かもしれません。
歯と歯の間が三角形になっている
健康な歯茎は、歯と歯の間で小さな三角形を作っています。これを、歯間乳頭(しかんにゅうとう)と呼びます。この三角形がなくなっていたり、形が崩れたりしていると、歯周病の進行を疑います。
この歯間乳頭は、食べ物が詰まるのを防ぐ役割を持っている大切な部分です。形が崩れていると歯周病のサインかもしれませんので、違和感があれば歯科医院での検査をおすすめします。
スティップリングが見られる
健康な歯茎の表面には、オレンジの皮のような細かい凹凸があります。これを、専門用語で「スティップリング」と呼びます。スティップリングは、歯茎のコラーゲン繊維が健康な状態であることを示しています。
通常、歯周病になるとこのスティップリングが失われ、表面がツルツルになってしまいます。歯茎の表面に見られる細かい凹凸がなくなった場合は、歯茎の健康状態が悪化しているかもしれません。
出血や腫れがない
最後に、健康な歯茎は歯磨きやフロスを使ってもそう簡単に出血しません。歯茎から血が出る場合は、歯肉炎や歯周病の初期症状を疑いましょう。健康な歯茎は腫れておらず、ぶよぶよしているような感じであれば炎症を起こしている証拠です。
また、歯磨きのときに痛みを感じる、いつもより口臭が気になる、といった場合も注意が必要です。出血や腫れがある場合は、初期の段階で対処して、症状の悪化を防ぎましょう。
歯茎が黒いのはなぜ?7つの主な原因
では、本題に戻って歯茎が黒いのはなぜなのか、その主な原因は7つあります。
- メラニン色素の沈着
- 金属イオンの溶出(メタルタトゥー)
- 被せ物の金属部分の露出(ブラックマージン)
- 歯周病の進行
- 歯の神経の壊死
- 永久歯への生え変わり
- 遺伝的な要因
メラニン色素の沈着
まず、歯茎が黒くなる原因として挙げられるのがメラニン色素の沈着です。メラニン色素は、外部からの刺激に対する防御反応とで、皮膚の日焼けと同じ仕組みです。
通常は新陳代謝(ターンオーバー)で排出されますが、以下の要因で過度な刺激が続くと排出しきれずに沈着します。
- 喫煙
- 紫外線
- 口呼吸
- 刺激の強い食べ物
- 強いブラッシング
なかでも喫煙者の方は、タバコに含まれる有害物質が歯茎を刺激し、メラニン色素の生成を促進します。喫煙をやめると、徐々に改善することもあります。このように、メラニン色素の沈着は体を守るための自然な反応ですが、過度な刺激が続くと歯茎の黒ずみとなって現れるのです。
金属イオンの溶出(メタルタトゥー)
歯茎が黒くなる原因として、金属イオンの溶出によるメタルタトゥーもあります。メタルタトゥーとは、歯科治療で使う非貴金属の詰め物や被せ物の金属から溶け出した「金属イオン」が歯茎に沈着する現象のことです。
お口のなかは常に湿っているため、金属がサビやすく、そのサビた金属イオンが歯茎に沈着します。接触している歯茎の一部分に限局して現れ、帯状または斑点状に黒くなる特徴があります。一度沈着した金属イオンは、自然には消えないことから専門的な治療が必要です。
被せ物の金属部分の露出(ブラックマージン)
歯茎が黒く見える原因の1つに、被せ物の金属部分が見える状態になってしまったブラックマージンがあります。ブラックマージンとは、歯と歯茎の境目が黒く見える現象のことです。
主な原因は歯茎の退縮で、年齢とともに歯茎が下がり、以前は見えなかった被せ物の金属部分が露出します。なお、先にお伝えしたメタルタトゥーと、ブラックマージンの違いは以下のとおりです。
- メタルタトゥーは金属イオンが沈着している
- ブラックマージンは金属自体が見えている
色素沈着ではなく、あくまでもブラックマージンは歯茎が下がることで被せ物の金属部分が見える現象です。なかでも前歯の被せ物がある方は、笑ったときに目立ちやすいため気になりやすいでしょう。
歯周病の進行
歯茎が黒くなる原因として、すでに何度か触れた歯周病の進行も挙げられます。歯茎は歯周病の進行によって初期では赤く腫れますが、さらに悪化すると赤紫色から黒っぽく変色するからです。
また、歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)が深くなると、その中に黒い歯石が付着し、歯茎も黒く見えるケースもあります。単なる見た目の問題だけでなく、歯を失う原因にもなる深刻な病気であり、歯茎の黒ずみはその進行のサインです。
歯周病は日本人の約80%が罹患している(※)ともいわれており、気づかないうちに進行している場合も少なくありません。
歯の神経の壊死
そのほかにも、歯の神経の壊死も歯茎が黒く見える原因となります。怪我や虫歯で神経が死んでしまった場合、その歯には栄養が届かなくなります。血液や栄養が供給されなくなった歯は、徐々に黒ずんでいくのです。
また、歯が黒くなると、薄い歯茎を通して黒い色が透けて見え、歯茎も黒く見えるケースがあります。治療で神経を取り除いた場合も同様で、時間の経過とともに歯が変色し、歯茎まで黒く見えます。
永久歯への生え変わり
子どもの歯茎が黒くなる原因としては、永久歯への生え変わりがあります。乳歯から永久歯に生え変わる際、歯茎の中の血管が破れて内出血を起こすケースがあるからです。
この内出血により、歯茎が一時的に黒っぽく見えますが、基本的には心配いりません。一時的なものであり、自然に改善することがほとんどです。ただし、黒ずみが長期間続く場合や、ほかの症状がある場合は、歯科医院での検査をおすすめします。
遺伝的な要因
歯茎が黒い理由には、遺伝的な要因も関係している可能性があります。メラニン色素の量は個人差があり、生まれつき歯茎の色素が濃い方もいるためです。
この遺伝的な要因による歯茎の黒ずみは、病的なものではなく個人の特徴の1つと考えられます。研究(※)によると、なかでも子どもの歯茎のメラニン色素沈着には人種差があり、アジア系やアフリカ系の方が多いとされています。ただし、急に黒くなった場合は別の原因を疑いましょう。
セラミック治療後に歯茎が黒くなる理由
セラミック治療を受けたあとに、歯茎の黒ずみに気づいたという方もいるでしょう。この場合、主な理由としては以下の3つが挙げられます。
- 土台の金属が溶け出すから
- メタルボンドから金属が溶け出すから
- 歯茎の退縮で金属部分が露出するから
土台の金属が溶け出すから
セラミックの被せ物の下には、歯を支える土台を用意します。これに保険適用の「メタルコア」と呼ばれる金属を使用すると、金属が時間の経過とともに溶け出すケースがあります。
土台の金属が溶け出す原因は、以下のとおりです。
- 唾液による腐食
- 異なる金属同士の接触による電気化学反応
- 飲食物の酸による影響
結果、溶け出した金属イオンが歯茎に沈着して黒く変色する、いわゆるメタルタトゥーを引き起こすのです。なかでも保険診療で使う非貴金属は、サビやすく金属イオンが溶け出しやすいでしょう。
メタルボンドから金属が溶け出すから
「メタルボンド」と呼ばれるセラミックの被せ物を使った場合は、内側に金属フレームを使用しています。金属フレームの上にセラミックを焼き付けて作ると、強度を高められるためです。
しかし、この金属フレームから金属イオンが溶け出し、歯茎が色素沈着を起こすことがあります。金属アレルギーのある方は、メタルボンドによる歯茎の黒ずみが起こりやすいでしょう。
歯茎の退縮で金属部分が露出するから
歯茎は、年齢とともに徐々に下がっていく傾向があります。これにより、以前は見えなかったセラミックの被せ物の金属部分が露出し、黒く見えてしまいます。
加齢のほかにも、以下は金属の露出を増やすよくある原因です。
- 歯周病
- 強い力でのブラッシング
- 喫煙
メタルボンドの場合であれば、歯と歯茎の境目に金属のラインが見えるようになり、黒く見えるケースもあるでしょう。これらのリスクを踏まえたうえで、当院では金属を使わないセラミック治療を提供しています。
メタルフリーのセラミック治療なら、歯茎の黒ずみを防ぎながら美しい歯を手に入れることができますので、詳しくはこちらをご覧ください。
インプラント治療後に歯茎が黒いのはなぜ?
インプラント治療を受けたあとに、歯茎が黒くなる理由としては主に以下の2つが考えられます。
- インプラント体が透けて見える
- インプラント周囲炎を引き起こしている
インプラントは通常、チタン製のインプラント体を歯茎の骨に埋め込みます。歯茎が薄い場合や退縮した場合、このチタン製のインプラント体が透け、歯茎を通して灰色や黒っぽく見えてしまいます。
インプラント歯周炎は、周囲の歯茎が赤く腫れ、進行すると赤黒く変色する歯周病に似た症状の歯科疾患です。適切なケアを怠ると進行して黒く見えるほか、最終的にはインプラントの脱落につながる可能性もある深刻な問題です。
インプラント治療後に歯茎の黒ずみが気になる場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。
歯茎が黒いまま放置するのはなぜ危険?
歯茎が黒いのはなぜかを知ったら、次は放置するリスクについて考えましょう。以下のように、健康上のリスクを示しているケースも含みます。
- 見た目の印象が悪くなる
- 歯周病の症状が悪化する
- 全身の健康に悪影響を与える
- 歯科治療が難しくなる
見た目の印象が悪くなる
歯茎が黒いと、笑ったときや話すときに目立ち、見た目の印象が悪くなります。なかでも歯茎が見えやすい方や、人前に立つ機会が多い方は気になるところでしょう。
- 笑顔を隠すようになる
- 自分に自信がなくなる
- 社交の場で不安になる
- コミュニケーションが減少する
など、歯茎の黒ずみは見た目の問題だけでなく、心理的な影響も生活の質を下げる原因になりかねません。見た目の印象は第一印象を左右するため、歯茎の黒ずみが気になる方は治療を検討しましょう。
歯周病の症状が悪化する
歯茎の黒ずみが歯周病によるものである場合、放置すると症状の悪化を引き起こす恐れがあります。進行した歯周病は、歯を支える骨を溶かし、最終的には歯の喪失につながる問題です。
通常、歯周病の進行段階は以下のように進みます。
歯周病の種類 | 特徴 |
---|---|
歯肉炎 | 歯茎の炎症のみ(可逆的) |
軽度歯周炎 | 骨の吸収が始まる |
中度歯周炎 | 骨の吸収が進む |
重度歯周炎 | 骨の吸収が著しく、歯がグラつく |
歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。定期的な歯科検診を受けて、早期発見・早期治療につなげましょう。
全身の健康に悪影響を与える
歯周病は口の中だけの問題ではなく、全身の健康にも影響を与えることも研究(※)でわかっています。歯周病菌や炎症物質が血流に乗って全身に広がり、以下の疾患のリスクが高まります。
- 心臓病
- 脳卒中
- 糖尿病
- 肺炎
- 早産・低体重児出産
- 認知症
昨今では、歯周病と全身疾患の関連性がますます明らかになってきています。口腔内の健康は全身の健康と密接に関わっているため、歯茎の黒ずみが気になる場合は早めに歯科医院に相談しましょう。
参考:※歯周病と全身疾患
歯科治療が難しくなる
歯茎の黒ずみを放置すると、原因によっては治療が難しくなることも少なくありません。例えば、初期段階では簡単なクリーニングで済むものが、進行すると歯茎を切開する外科治療となるといった具合です。
歯茎の黒ずみは早めに対処できれば、より簡単で負担の少ない治療で済む可能性が高まります。問題を先送りにすればするほど、治療は複雑になりかねません。
当院では、患者様の状態に合わせた最適な治療法をご提案しています。歯茎の黒ずみでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。詳しくはこちらをご覧ください。
歯茎の黒ずみを改善する4つの治療法
歯茎の黒ずみを改善する治療法は、主に以下の4つが挙げられます。
- 歯科医院でのクリーニング
- レーザー治療による色素除去
- 薬剤を使ったガムピーリング
- メタルフリー素材への交換
歯科医院でのクリーニング
歯石の付着が原因で起きている歯茎の黒ずみには、歯科医師でのクリーニングを実施します。特殊な器具を使って歯石を除去するスケーリングや、歯周ポケット内の歯石も除去するルートプレーニングなどです。
- 歯石の除去
- 歯茎の炎症の軽減
- 歯周病の進行予防
- 口臭の改善
などの効果が期待できます。歯茎の黒ずみが歯石や歯周病によるものである場合、専門的なクリーニングで改善でき、定期的に受ければ予防にもなります。
レーザー治療による色素除去
メラニン色素やメタルタトゥーによる歯茎の黒ずみには、レーザー治療が有効です。レーザーは黒色に反応する性質があり、歯茎の黒ずみ部分だけを選択的に除去できます。
レーザー治療の特徴は、以下のとおりです。
- 痛みが少ない(麻酔が必要な場合もあります)
- 出血が少ない
- 治癒が早い
- 1~2回の治療で効果を実感しやすい
治療後は一時的に白くなりますが、数日で自然な色に戻ります。レーザー治療は歯茎への負担が少なく、黒ずみを除去できる方法であり、ダウンタイムも少ないため、忙しい方にもおすすめできます。
薬剤を使ったガムピーリング
歯茎にメラニン色素が沈着して黒くなっている場合は、ガムピーリングが選択肢に入ります。
ガムピーリングとは、専用の薬剤を歯茎に塗布して黒ずみを除去する治療法のことです。薬剤によってタンパク質変性作用を起こし、黒ずんだ表層の組織を除去します。
ガムピーリングの流れは、以下のとおりです。
- 表面麻酔の塗布
- 専用薬剤の塗布
- 一時的に歯茎が白くなる
- 数日後に白い部分がはがれる
- 1~2週間で健康的なピンク色に
ガムピーリングは、歯茎の表層のみに作用するため、深部への影響は少なく、安全性の高い治療法です。ただし、治療後は一時的に歯茎が白くなり、そのあとに「はがれ落ちる期間の見た目」が気になる方もいます。
メタルフリー素材への交換
金属が原因の歯茎の黒ずみには、メタルフリー素材への交換が根本的な解決策になります。金属を使わない素材には、以下のようなものがあります。
- オールセラミック
- ジルコニア
- ファイバーコア(土台)
- レジンコア(土台)
メタルフリー素材のメリットは、金属アレルギーのリスクがなく、歯茎の黒ずみを防げることです。見た目が自然で、変色もしにくいという特徴があります。審美性も向上でき、特に前歯など見た目が重要な部分では、メタルフリー素材への交換を検討する価値があるでしょう。
歯茎が黒くならないセラミック治療を受けたい方へ
西蒲田デンタルクリニックでは、歯茎の黒ずみを防ぐメタルフリーのセラミック治療を提供しています。当院のセラミック治療は、金属を一切使用しないため、メタルタトゥーやブラックマージンの心配がありません。
当院のセラミック治療の特徴は、以下のとおりです。
- 金属アレルギーの心配がない
- 歯茎の黒ずみを防げる
- 天然歯のような透明感と美しさ
- 長期間変色しにくい
- 経験豊富な歯科医師による施術
オールセラミックやジルコニアなど、最新の素材を使用し、天然の歯のような美しさと強度を両立しています。土台にもファイバーコアなどの非金属素材を使用して、根本から歯茎の黒ずみを防ぎます。
歯茎の黒ずみでお悩みの方、金属アレルギーをお持ちの方、見た目の美しさにこだわりたい方は、ぜひ一度当院にご相談ください。あなたに最適な治療法をご提案いたします。
詳しくはこちらをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。
まとめ
歯茎が黒い原因は、メラニン色素の沈着、金属イオンの溶出(メタルタトゥー)、被せ物の金属部分の露出(ブラックマージン)、歯周病の進行、歯の神経の壊死などです。違和感があるなら放置せず、原因を特定して適切な治療を受けましょう。
歯茎の健康は口腔内だけでなく、全身の健康にも関わる重要な問題です。西蒲田デンタルクリニックでは、患者様1人ひとりの状態に合わせた最適な治療をご提案しています。歯茎の黒ずみでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
>>治療内容について詳しくはこちら
よくある質問(FAQ)
歯茎が黒い人は何が原因ですか?
歯茎が黒いのはなぜか、主な原因は以下のとおりです。
- メラニン色素の沈着(喫煙、紫外線、口呼吸などによる)
- 金属イオンの溶出(メタルタトゥー)
- 被せ物の金属部分の露出(ブラックマージン)
- 歯周病の進行
- 歯の神経の壊死
- 遺伝的な要因
原因によって黒ずみの見え方や対処法が異なるため、歯科医師による診断が重要です。
歯茎が血豆みたいになるのはなぜですか?
歯茎に血豆のような症状が現れる主な原因は、歯茎の内出血です。歯ブラシで強くこすりすぎたり、硬い食べ物が歯茎に当たったりして、血液が歯茎の表面下に溜まるケースが該当します。
一般的に数日で自然に治りますが、繰り返し発生する場合や、痛みを伴う場合は、歯周病や血液凝固障害などの可能性もあります。口腔内の良性腫瘍である「血管腫」の可能性もありますので、心配な場合は、歯科医院での診察を受けましょう。
歯茎が黒くて痛いときは何が原因ですか?
歯茎が黒くて痛い場合、主な原因は歯周病の進行が考えられます。歯周病が進行すると、歯茎は赤く腫れたあと、徐々に黒ずんでいくためです。痛みを伴う場合は、炎症が深部に及んでいる可能性もあります。
まれに、口腔内の悪性腫瘍が黒い斑点として現れることもあります。痛みを伴う黒い斑点が2週間以上続く場合は、必ず専門医の診察を受けてください。
子どもの歯茎が黒いのはなぜですか?
子どもの歯茎が黒い主な原因は、永久歯への生え変わり時期の内出血です。乳歯が抜け、永久歯が生えてくる過程で、歯茎の中の血管が破れて内出血を起こすケースはしばしば見られます。
通常であれば、自然に治ります。ただし、子どもの歯茎の黒ずみが広がる、出血や痛みを伴う、ほかの症状がある場合は、小児歯科医での診察をおすすめします。
差し歯でも歯茎は黒くなりますか?
はい、差し歯(クラウン)でも歯茎が黒くなります。なかでも金属を使用した差し歯の場合、以下の理由で歯茎が黒くなります。
- 差し歯の金属から溶け出した金属イオンが歯茎に沈着する(メタルタトゥー)
- 歯茎が退縮して差し歯の金属部分が露出する(ブラックマージン)
- 土台(メタルコア)からの金属イオンの溶出
この問題を防ぐには、オールセラミックやジルコニアなどのメタルフリー素材を選びます。すでに歯茎が黒くなっている場合は、メタルフリー素材への交換やレーザー治療などで改善できるケースもあります。
歯茎の色が黒っぽいのはなぜですか?
歯茎が黒っぽく見える理由は、主に以下のとおりです。
- 人種や遺伝的要因によるメラニン色素の量
- 喫煙習慣によるメラニン色素の増加
- 金属イオンの沈着(メタルタトゥー)
- 歯周病の進行
- 歯の変色が透けて見える
- 被せ物の金属部分の露出
黒っぽさの程度や範囲、ほかの症状の有無によって原因が異なります。気になる場合は歯科医師に相談すると良いでしょう。
歯茎が黒くなるのは癌ですか?
歯茎が黒くなる原因のほとんどは良性であり、癌ではありません。主な原因は、以下のとおりです。
- メラニン色素の沈着
- メタルタトゥー
- 歯周病
- 歯の変色
ただし、まれに口腔内の黒い斑点が悪性黒色腫(メラノーマ)などの悪性腫瘍である可能性もあります。以下のような特徴がある場合は歯科医師や口腔外科医の診察を受けることをおすすめします。
- 急速になる
- 形が不規則
- 出血しやすい
- 痛みを伴う
- 潰瘍を形成する