「銀歯の見た目が気になって、思いっきり笑えない」「金属アレルギーが心配で、銀歯以外の方法を知りたい」そんな悩みを抱えていませんか?実は、2024年から保険適用の範囲拡大によって保険でも銀歯以外に白い歯にできる治療法が複数選べるようになりました。
以前は銀歯しか選択肢がありませんでしたが、現在では材料技術の進歩により、セラミック(陶器のような素材)やハイブリッド素材を使った治療も可能になったのです。本記事では、銀歯以外を選ぶ理由から、保険適用と自費診療の具体的な治療法まで詳しく解説します。
銀歯以外を選ぶ4つの理由
銀歯以外の治療法を選ぶ理由は、主に以下の4つが挙げられます。
- 見た目が気になるから
- 金属アレルギーの心配があるから
- 二次虫歯の不安があるから
- 保険適用の範囲が広がったから
見た目が気になるから
1つ目は、「銀歯の見た目が気になるから白い材料にしたい」という理由です。銀歯に使われている金属(主にパラジウム合金など)は、光を強く反射するため、口を開けたときにキラッと光って目立ちやすくなります。
一方で、白い詰め物やかぶせ物に使うコンポジットレジン(プラスチック)やセラミックは、天然歯に近い半透明の性質を持っています。歯科用セラミックは「屈折率(光の曲がり方)」が天然歯と近く、ぱっと見では見分けがつかないほど自然です。
金属アレルギーの心配があるから
銀歯以外を選ぶ2つ目の理由が、「金属アレルギーの心配があるから」です。銀歯の金属材料には、ニッケル、パラジウム、クロムなど、金属アレルギーを引き起こしやすい素材も含まれます。
歯科で治療を受けた後、ある日突然、手や足の皮膚に湿疹が出たり、口の中がただれたりするなどの症状が現れることがあります。これは「遅延型アレルギー反応」と呼ばれ、気づきにくいのも特徴です。
一方、セラミックやレジンは金属を含まないため、アレルギーの原因物質が存在しません。
二次虫歯の不安があるから
3つ目に、「二次虫歯を避けるため」に銀歯以外を検討する方も増えています。銀歯を装着する際は、セメント(歯科用接着剤)で固定しますが、金属と歯の間にごくわずかなすき間ができます。
このすき間は、時間とともにセメントが劣化して広がり、そこに細菌が入り込んで再び虫歯(二次カリエス)を引き起こすリスクがあるのです。加えて、金属は熱で膨張・収縮する性質があり、冷たいものや熱いものを食べるたびに少しずつ動いて接着力が弱くなるケースもあります。
保険適用の範囲が広がったから
最後に、保険適用の範囲が広がり、銀歯以外の選択肢が広がったからです。以前は、奥歯などの見えにくい部分は「機能優先」と考えられており、強度のある金属しか保険で使えませんでした。
しかし、近年の材料技術の進歩によって、高強度のハイブリッドレジンやCAD/CAM冠と呼ばれる加工技術が登場しました。
これにより、前から6番目までの奥歯に対しても、「一定の条件を満たせば保険適用可能」となりました。今は銀歯でも、保険適用内であれば再治療を望む声も増えています。
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銀歯以外に保険適用で選べる6つの治療法
銀歯以外に保険適用で白い歯にできる治療法は、主に以下に挙げた6つの選択肢があります。それぞれに特徴があり、治療する歯の位置や状態によって使いわけられます。
- コンポジットレジン
- 硬質レジン前装冠
- CAD/CAM冠
- CAD/CAMインレー
- PEEK冠
- 高強度硬質レジンブリッジ
コンポジットレジン
コンポジットレジンは、セラミック粒子と合成樹脂を混ぜ合わせた白いプラスチック素材を使った治療です。歯に直接詰めてそのまま固めるため、型どりの必要は基本的にありません。
歯を削る量も最小限で済み、特殊な光を照射すると固まる性質があり、多種多様な歯の形状に合わせて修復できます。また色調も天然歯に近く、治療後の見た目も自然な仕上がりになります。
硬質レジン前装冠
硬質レジン前装冠は、前歯のみが保険適用となる、見える部分だけを白いプラスチックで覆った金属冠です。金属の裏打ちで補強しているため、付け根の部分(歯と歯ぐきの境目)はやや黒ずんで見えます。
銀歯よりも審美性は高いですが、プラスチック系の素材なので、長く使っていると劣化して色がくすんできたり、強度が低いので摩耗したり欠けたりします。とはいえ、「保険の範囲内で何とか前歯を自然に見せたい」というケースにマッチします。
CAD/CAM冠
CAD/CAM冠は、歯型のスキャンデータをコンピュータに入力し、ハイブリットセラミックのブロックを、機械によって入力された歯の形に削り出して作る歯科技工物です。素材にセラミックを使用し、自然な白色で透明感があり、目立ちにくく審美的に優れている点が非常に優秀です。
2024年度の改定では、CAD材料III(見た目がより自然な素材)を用いた治療が、7番目の歯(第二大臼歯)についても、条件付きで保険適用が拡大しています。気になった方は、以下のページもご覧ください。
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CAD/CAMインレー
2022年4月からは冠(被せ物)だけでなく、CAD/CAMインレー(詰め物)も保険適用が認められ、白い歯にできるケースがますます広がりました。
セラミック混合素材を使用し、歯科技工士の手作業に代わってコンピューターで精密に設計・製作します。金属アレルギーのある方でも使用可能で、見た目の仕上がりも自然です。
PEEK冠
2023年12月の診療報酬改定により、PEEK冠はすべての奥歯で保険適用にて使用できるようになりました。強い噛み合わせの力を掛けても材料自体がたわんで破折しにくいという特徴をもっています。
アイボリー色で不透明なため、セラミックと比較して目立つのが難点ですが、割れたり欠けたりするリスクが少ない利点があります。
高強度硬質レジンブリッジ
高強度硬質レジンブリッジは、歯冠用グラスファイバーによるフレームに高強度の硬質レジンを用いて製作するブリッジです。欠損歯1本に対し、前後1本ずつの歯で支えます。
2018年4月から、「高強度硬質レジンブリッジ」が保険適用になったことで、白い歯にできる適用範囲が広がりました。適用が難しい面もありますが、保険適応で白い歯のブリッジ治療を要する方に向いています。
銀歯以外に自費診療で選べる4つの治療法
銀歯以外の治療法をお探しなら、自費診療でより高品質な材料と技術を使用した治療法を見つけるのも1つの手段です。銀歯以外に自費診療で選べる治療法の代表例は、以下の4つです。
- オールセラミック
- ジルコニア
- e-max
- メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)
オールセラミック
オールセラミックとは、セラミック素材だけを使って作られた被せ物(クラウン)を用いた治療方法です。金属を一切使用していないため、光の透過性が高く、天然歯に非常に近い自然な見た目を再現できます。
特に前歯など、審美性を重視する部位に適しています。一方で、強い力が加わると割れたり欠けたりするリスクがあるため、咬合力の強い奥歯への使用は不向きです。
ジルコニア
ジルコニアは「人工ダイヤモンド」とも称されるほど高い強度を持つセラミック素材です。その強さから、セラミックでは対応しきれない咬む力が加わる奥歯の治療に用います。
近年では審美性も向上しており、天然歯のような色調や質感を再現できるのも特徴です。ただし、その硬さゆえに、対合歯(噛み合う歯)を摩耗させてしまう可能性があるのがデメリットとなります。
e-max(イーマックス)
e-maxは、二ケイ酸リチウムガラスセラミックのブロックをCAD/CAM技術で加工して作られるクラウンです。高い審美性と、適度な強度のバランスが取れた歯科素材です。
主に、前歯や小臼歯など、見た目と強度の両立を求める部位に最適です。透明感や自然な色味の再現性に優れており、審美治療の選択肢としても選べます。
メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)
メタルボンドとは、内側に金属のフレームを使用し、その表面にセラミックを焼き付けて作られた被せ物です。金属による補強があるため、高い強度と耐久性を持ち、奥歯などの強い咬合力がかかる部位にも安心して使用できます。
ただし、金属部分がわずかに透けて見え、見た目の自然さではオールセラミックやe-maxにやや劣ります。
銀歯以外の治療法を失敗せずに選ぶための4つのポイント
銀歯以外を選ぶとき、「見た目」や「費用」だけで決めると失敗しやすくなります。長期的に満足できる治療を受けるためには、以下の4つのポイントを押さえることが重要です。
- 自らの噛み合わせや歯ぎしりの癖を把握する
- 歯の状態を確認する
- 保険適用の条件を正確に理解する
- 再治療になったときの”次の一手”を聞いておく
1. 自らの噛み合わせや歯ぎしりの癖を把握する
すでに診断・治療を受けている方もいるかもしれませんが、自らの噛み合わせや歯ぎしりの癖を知っているでしょうか。噛む力が強い、または就寝中に歯ぎしり・食いしばりをしている人は、セラミックのような硬くて割れやすい素材は割れるリスクがあります。
もし、見た目や費用の安さだけで素材を選んだのであれば、数年で『破損→再治療』になるケースも十分に想定できるはずです。歯科医院では、噛み合わせの力を測定したり、歯ぎしりの痕跡(すり減りやヒビ)をチェックしています。
希望の治療法を取り扱っている歯科を探して、治療前に自らの噛む癖を診断してもらうと良いでしょう。
2. 歯の状態を確認する
次に、銀歯を含めて歯の状態がどうなっているかを確認します。歯の基礎が弱っている場合は、素材以前に設計ミスが起きやすいので、レントゲンやCTを用いた診断が欠かせません。
例えば、セラミックなどの白い被せ物は、歯の土台がある程度しっかりしていないと、割れたり脱離したりするリスクがあります。神経を取っている歯は強度が落ちるため、補強(ファイバーコアなど)が必要です。
また、残っている歯質が少ない場合は、見た目重視よりも、耐久性を重視する治療設計が必要です。
3. 保険適用の条件を正確に理解する
忘れてはならないのが、銀歯以外における保険適用の条件です。一見簡単そうでも、適用条件は細かく、医院によって判断が分かれることもあるため、説明書きやパンフレットだけでなく、診断結果と合わせて確認すべきです。
銀歯以外に選択肢が増えてはいますが、「保険で白い歯にできる」と聞いて安易に決めてしまうと、実は自らのケースでは適用外だったとなりかねません。
例えば、上下左右の噛み合わせがずれている場合、保険のCAD/CAM冠は適用外になります。また、強い歯ぎしりがあると判断された場合も保険が使えません。
4. 再治療になったときの”次の一手”を聞いておく
恐れずにお伝えしますが、銀歯以外の選択肢がメリットだけとは限りません。例えば、「好みの白い素材」で一度治療したあと、破損したり、二次虫歯になったりしたらどうでしょうか。
治療が「最後まで完結する設計か」を確認しておけば、将来の後悔や無駄な出費を防ぐことができます。例えば、セラミックが割れた場合、再びセラミックにできるのか、金属にするかなどです。
保険で作った白い歯が脱落した場合、再接着できるのか、やり直しになるかも確認が必要です。
銀歯以外の治療なら西蒲田デンタルクリニックへ
西蒲田デンタルクリニックでは、銀歯以外にも保険診療から自費診療まで、幅広い治療オプションをご用意しています。経験豊富な歯科医師が、口腔状態や生活スタイルに合わせて最適な治療計画をご提案いたします。
弊院では、珍しいセラミック治療における保証制度もご用意しました。疑問を残さないよう、1人ひとりの患者様に寄り添った丁寧な説明と、納得いただける治療を心がけております。
銀歯以外の治療をお考えの方は、まずは無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。
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まとめ
銀歯以外の治療法は、保険適用と自費診療を合わせると豊富な選択肢があります。保険でも白い歯にできる治療法が複数あり、見た目の改善だけでなく、金属アレルギーや二次虫歯のリスクも軽減できます。
大切なのは、見た目や費用だけでなく、自らの噛み合わせや歯の状態を正確に把握したうえで治療法を選ぶことです。専門家である歯科医師と十分相談し、長期的に満足できる治療を受けて自信を持った笑顔を取り戻しましょう。
よくある質問(FAQ)
奥歯の銀歯の代わりになるものは?
奥歯の銀歯の代わりには、保険適用でCAD/CAM冠、PEEK冠、CAD/CAMインレーが選択できます。自費診療ではジルコニアやオールセラミック、e-maxなども使用可能です。特にジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれるほど強度が高く、奥歯の強い噛み合わせの力にも耐えられます。
銀歯とセラミックはどっちがいい?
銀歯とセラミックであれば、長期的な視点で考えてセラミックの方がおすすめです。セラミックは見た目が自然で、金属アレルギーの心配がなく、二次虫歯のリスクも低くなります。ただし、費用面では銀歯の方が安価なため、予算と治療目標を考慮して選ぶことが大切です。
関連記事:【もう悩まない】銀歯とセラミックはどっちがおすすめ?メリット・デメリットを比較
銀歯を保険適用で白くする治療法は?
銀歯以外に保険適用で白くできる治療法として、以下の6つがあります。
- コンポジットレジン(プラスチック製の詰め物)
- 硬質レジン前装冠(前歯のみ)
- CAD/CAM冠(ハイブリッドセラミック)
- CAD/CAMインレー(詰め物)
- PEEK冠(奥歯すべて)
- 高強度硬質レジンブリッジ(3歯連結)
それぞれに適用条件があるため、歯科医師との相談が必要です。
保険治療と自費治療はどちらを選ぶべき?
銀歯以外を選ぶ際、どちらかで迷ったら予算と治療目標によって決めることが大切です。見た目を重視し、長期的な使用を考える場合は自費治療のセラミックがおすすめです。
一方、費用を抑えたい場合は保険治療でも白い歯にできる選択肢があります。金属アレルギーがある方は、保険適用の範囲内でも金属を使わない治療法を選択できるため、まずは歯科医師に相談してください。