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どっちがいい?歯のセラミックとジルコニアの違いは?後悔しない選び方と理由

あなたは「セラミックとジルコニア、どっちを選べばいいの?」と悩んでいませんか?

どちらも自費診療となりますので、高額な治療だけに失敗はしたくないですよね。ただ、最適な素材は人それぞれ異なり、一概に「これが正解」とはいえません。

そこで本記事では、セラミックとジルコニアの違いを詳しく比較し、自ら合った素材を選べるよう後悔しない選び方のポイントもお伝えします。選んでよかったと胸を張って過ごすためにも、ぜひ参考にしてください。

歯のセラミックとジルコニアの違いは?

セラミック ジルコニア 違い

セラミックとジルコニアの違いは、見た目と強度にあります。セラミックは審美性が優れている一方、ジルコニアは強度が高いです。違いから特徴をまとめると、以下のとおりとなります。

  • セラミックは見た目を重視する前歯に向いている
  • ジルコニアは強い力がかかる奥歯に向いている
  • どちらも保険適用外の自費診療となる
  • どちらも金属アレルギーの心配がない

とはいえ、実際に治療する部位や求める機能によって選択が変わってきます。まず、それぞれの特徴から見てみましょう。

セラミックとは

  • 審美性:★★★★★(高い)
  • 強度:★★★☆☆(普通)
  • 費用:★★☆☆☆(やや高い)

セラミックとは、陶器やガラスに似た成分でできた歯科治療用の人工素材のことです。天然の歯に近い見た目と硬さを持つほか審美性にも優れており、人目につきやすい前歯の治療に適しています。

セラミックだけを使った歯科治療はオールセラミックとも呼ばれ、光を透過する性質から天然歯のような透明感を再現できるのが特徴です。その強度は、約360〜410MPa(メガパスカル)で天然の歯(約400MPa)とほぼ同じ硬さとなります。天然の歯と比較して表面がツルツルしているため、汚れや着色がつきにくいのが利点です。

ジルコニアとは

  • 審美性:★★★☆☆(普通)
  • 強度:★★★★★(高い)
  • 費用:★★★★☆(やや高い)

ジルコニアとは、二酸化ジルコニウムという物質からなる歯科治療用の人工素材のことです。圧倒的な強度と耐久性を持ち、なかでも強い力がかかる部位の治療に適しています。セラミック同様にジルコニアだけを使った場合、フルジルコニアとも呼ばれます。

「人工ダイヤモンド」や「白いダイヤモンド」とも呼ばれるほど硬く、その強度は約1300MPa(メガパスカル)と天然の歯と比べて3倍以上です。「像に踏まれても割れない」といわれるほどの強度から、人工関節などにも使われる体に馴染みやすい素材でもあります。

ジルコニアセラミックとは

  • 審美性:★★★★★(高い)
  • 強度:★★★★☆(やや高い)
  • 費用:★★★★☆(やや高い)

ジルコニアセラミックとは、ジルコニアのフレーム(骨組み)にセラミックを焼き付けた二層構造の被せ物のことです。ジルコニアの強度と、セラミックの審美性を兼ね備えています。

内側のジルコニアが強度を担保しているため、前歯から奥歯まで幅広く使用できるのが特徴です。表面のセラミックが欠ける可能性があるものの、審美性と強度のバランスを求める方に適した選択肢で、幅広い部位に使用できる汎用性の高さが魅力です。

【一覧】歯のセラミックとジルコニアの違いを比較

セラミック ジルコニア 比較

では、ここからはより詳しく、セラミックとジルコニアの違いを比較します。まず、違いを一覧表にまとめると、以下のとおりです。

項目 セラミック ジルコニア
審美性 ◎ 高透明感、天然歯に近い ○ 改良中だが、やや劣る
経年劣化 ○ 変形少なく、すき間ができにくい ○ 変形少なく、すき間ができにくい
強度 △ 360〜410MPa、割れやすい ◎ 約1300MPa、頑丈
寿命 ○ 7〜10年 ◎ 10〜15年
費用 ○ 8〜15万円/本 △ 7〜18万円/本
金属アレルギー ◎ 金属不使用で安全 ◎ 金属不使用で安全

※ ◎:優れている ○:良好 △:やや劣る

ここからは、それぞれの項目にわけて詳しく解説します。

審美性・透明感

審美性や透明感をもっとも重視するなら、セラミックが選択肢となります。セラミックは他人から見ても違和感のない自然な仕上がりになり、笑ったときに人工物だと気づかれにくい特徴があるからです。なかでも、前歯など見た目が重要な部位に適しています。

セラミックは、光を透過する性質があり、天然の歯のように先端に行くほど透き通る状態を表現できます。さまざまな色のセラミックを何層にも重ねて焼成し、自然な色合いを実現します。シェードガイド(色見本)を使って、周りの歯と馴染むように色を調整できるのも利点です。

一方で、ジルコニアは審美性こそあるものの、透明感では対照的な特性を持っています。

  • ハイトランス:透過率50%のジルコニア
  • FCZ:自然なグラデーションが可能なジルコニア

上記の2つも登場し、ステイニング(着色)技術の進歩により、以前のジルコニアと比べて見た目もきれいに仕上がるようになってきました。ただし、最高レベルの審美性を求めるならセラミックが依然として優位にあります。

経年劣化・変形

経年劣化や変形の面から選ぶ場合、セラミックとジルコニアはどちらも優れた特性を持っています。両素材とも、経年劣化や温度変化による変形が少なく、歯との間にすき間ができにくいという特徴を持つためです。

歯間にすき間が起きにくいことで、細菌が入り込んで起こる「二次虫歯(二次カリエス,う蝕)」のリスクはどちらも低減できます。表面がなめらかで汚れもつきにくいため、虫歯や歯周病の原因となる細菌が繁殖しにくく、着色等の心配も少ないです。

ただし、強度という観点から見ると、次の項目で説明するように両者には違いが出てきます。

強度

強度を最優先に考えるなら、ジルコニアが最有力候補となります。ジルコニアは奥歯など強い力がかかる部位や、歯ぎしり・食いしばりがある方でも対応可能な強さを持っているからです。

セラミックの強度は360〜410MPa(メガパスカル)で、天然の歯と同様に強い衝撃に弱く割れやすい性質があります。陶器の食器をイメージするとわかりやすいですが、落とすなどの衝撃で割れてしまう可能性があります。

一方で、ジルコニアの硬さは約1300MPa(メガパスカル)で、セラミックの3倍以上の強度です。「像に踏まれても割れない」と表現するほど頑丈で通常の使用での破損がほとんどなく、摩耗にも強いという特性も持っています。

寿命

長期的な使用を考えて平均寿命で選ぶなら、ジルコニアが優れているといえます。セラミックの平均的な寿命は、7〜10年程度とされています。対してジルコニアの平均的な寿命は10〜15年程度と、セラミックより長い傾向にあります。

耐久性に影響する要因としては、これまで説明してきた経年劣化・変形・強度などの特性が関係しています。また、どれだけ良い素材を使っても適切なメンテナンスなしでは寿命を短くしますので、日々のケアと定期的な歯科検診が寿命延長の重要なポイントとなります。

費用

コストパフォーマンスを考慮して費用面で選ぶなら、一般的にはセラミックの方が優位といえるでしょう。どちらも保険適用外の自費診療となるため、全額自己負担となるのは同じです。一般的な価格帯の目安としては、以下のとおりとなります。

  • セラミック:1本あたり8〜15万円程度
  • ジルコニア:1本あたり7〜18万円程度

通常、ジルコニアは素材自体が高価で、加工が難しいことで技工料も高くなります。一方、セラミックは比較的加工しやすく、技工料を抑えられる傾向があります。

ただし、歯科医院の立地や技術力、使用する素材によって価格設定は異なります。長期的な耐久性を考えると、一概にどちらがコストパフォーマンスに優れているとはいえない点にも留意してください。

金属アレルギー

セラミックとジルコニアのどちらも金属を一切使用していないため、金属アレルギーの心配はありません。金属アレルギーとは、金属(ニッケル、クロム、コバルトなど)の詰め物や被せ物から溶け出した金属イオンが、歯肉や口腔粘膜を通して全身に回って全身にアレルギー反応を引き起こす現象のことです。

両素材とも金属イオンが溶け出す心配はなく、歯茎が黒ずむ「メタルタトゥー」も発生しません。なかでもジルコニアは生体親和性が高く、人工関節にも使用できるほど安全な素材です。

ただし、セラミック・ジルコニアのどちらも被せ物の土台(コア)に金属を使用する場合もあります。土台も含めて金属フリーを希望する場合は、その旨を歯科医師に伝えてください。

セラミックとジルコニアで後悔しない選び方とは

セラミック ジルコニア 選び方

セラミックとジルコニアで後悔しない選び方をしたい方は、ぜひ歯科医師に相談してください。ここまでお伝えしたように、セラミックとジルコニアでの比較では、一長一短であるということがおわかりいただけたはずです

以下は比較表の再掲ですので、ぜひ再確認してください。

項目 セラミック ジルコニア
審美性 ◎ 高透明感、天然歯に近い ○ 改良中だが、やや劣る
経年劣化 ○ 変形少なく、すき間ができにくい ○ 変形少なく、すき間ができにくい
強度 △ 360〜410MPa、割れやすい ◎ 約1300MPa、頑丈
寿命 ○ 7〜10年 ◎ 10〜15年
費用 ○ 8〜15万円/本 △ 7〜18万円/本
金属アレルギー ◎ 金属不使用で安全 ◎ 金属不使用で安全

※ ◎:優れている ○:良好 △:やや劣る

たとえセラミック・ジルコニアの中間に位置する「ジルコニアセラミック」であっても、部位や求める機能によって選択肢が変わってきます。そのため、口腔内および歯などを詳しく診ていない状態では、安易におすすめできません

自らの優先事項、そして治療部位に合わせて、医師との相談のうえで選ぶことが肝要です。当院では、患者様1人ひとりの口腔内状態を詳しく診査し、ライフスタイルや希望に合わせた最適な素材選びをサポートしています。まずはお気軽にご相談ください。

>>西蒲田デンタルクリニックのセラミック治療を見てみる

セラミックとジルコニアの選択で診察が重要な3つの理由

セラミック ジルコニア 診察

セラミックとジルコニアのどちらが自分に合っているのか判断するためには、専門家による診断が欠かせません。その理由は以下の3つです。

  1. 歯の状態は個人差があるから
  2. 優先順位が個人で異なるから
  3. 部位ごとに力のかかり方が違うから

歯の状態は個人差があるから

まず、自らの歯の状態を正確に知るためには、歯科医院での受診がもっとも手早く、そして確実だからです。歯科医院では具体的に以下のような点を確認できます。

  • 現在の歯の色は、本来からのものであるか
  • 歯ぎしりや食いしばりの癖があるか
  • 噛み合わせの強さはどうか
  • 治療する部位は前歯か奥歯か
  • 重視したい要素は何か

例えば、周りの歯と合わない色であれば、どちらの素材を選んでも満足できない結果になる可能性があります。診察後、歯のクリーニングを行えば色合いが変わるケースも少なくありません。

つまり、今の歯の状態にマッチするかは、「実際に診察してからでなければわからない」ということです。気になる歯だけに限らず、自覚症状(朝の顎の疲れなど)、そして過去の治療歴によっても変わります。

優先順位が個人で異なるから

セラミックとジルコニアはそれぞれ長所と短所があるため、何を優先するかは診察での話を聞いてからでも遅くはありません。ここで少し考えてみてください、あなたは以下の5つであれば何をもっとも重視するでしょうか。

  • 審美性・透明感
  • 経年劣化・変形
  • 強度
  • 寿命
  • 費用

単純に前歯だけを考えれば審美性が、奥歯であれば機能性や費用を重視したのではないでしょうか。外れていたとしても、個人の価値観によってこの優先順位が異なるのはわかっていただけたはずです。

だからこそ、安易におすすめから選ぶよりも「何をもっとも重視するか」を明確にしたうえで相談して実現できるかの説明を受けましょう。これにより、先の診断も合わせて自らに合った素材を選ぶことができ、治療結果に対する満足度も高まります。

部位ごとに力のかかり方が違うから

最後に、見逃してほしくないのが部位ごとにおける力のかかり方の違いです。セラミックやジルコニアが良いと判断しても、診断後の噛む力によっては合わないケースはしばしばあります。単純に、前歯と奥歯を比較してもかかる力の大きさが異なるからです。

奥歯(大臼歯)にかかる力は前歯の5〜10倍ともいわれています。前歯は主に食べ物を噛み切る役割で、比較的弱い力しかかからないのに対し、奥歯は食べ物を粉砕する役割があるため、強い力をかける仕組みがあるためです。

部位ごとによって異なる力のかかり方の違いを診察で調べれば、「900MPaの歯に優しいジルコニアを使って、対合歯への負担を軽減しつつ…」といった具体的な提案を受けられます。

こうした観点からの素材選びは、割れてしまって無駄になったり、すり減ってしまって余計な治療が増えたりするリスクを減らします。最終的には、長期的な治療の成功にもつながるのです。

まとめ

長くなりましたが、こうしてセラミックとジルコニアの違いを理解すると、どちらが自分に合っているかが見えてきたのではないでしょうか。一般的に、セラミックは天然歯に近い透明感があり前歯に向いていますが、ジルコニアは強度が高く奥歯に適しています

ただし、どちらを選ぶべきかは、歯の状態や優先したい機能(見た目か耐久性か)によって変わります。また、個人差によっても左右されるため、歯科医師と相談して決めるのがベストだということもお伝えしました。

当院では、患者様1人ひとりに合わせた専門的な診断と丁寧な説明で、後悔のない素材選びをお手伝いします。セラミックとジルコニア、セラミックジルコニアでの選択に迷っておられましたら、ぜひ一度ご相談ください。

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よくある質問(FAQ)

e-maxセラミックとは何ですか?

e-maxセラミックとは、二ケイ酸リチウムという素材を使用した比較的新しいタイプのセラミックのことです。

  • 審美性:★★★★★(高い)
  • 強度:★★★★☆(やや高い)
  • 適した部位:前歯から小臼歯まで

e-maxセラミックは従来型セラミックの審美性を維持しながら強度を向上させた素材で、より幅広い部位に使用できるという特徴があります。

ハイトランスジルコニアとは何ですか?

ハイトランスジルコニアとは、透過率を高めた新しいタイプのジルコニアのことです。

  • 審美性:★★★★☆(高い)
  • 強度:★★★★☆(やや高い)
  • 適した部位:前歯から奥歯まで幅広く使用可能

ハイトランスジルコニアは、従来型ジルコニアの強度をある程度維持しながら審美性を向上させた素材と位置づけられます。強度は従来型ジルコニアよりやや劣るものの、それでも十分に高い水準を保っています。

ジルコニアとセラミックどっちがいいの?

ジルコニアとセラミックの「どちらが良いか」は一概にいえず、状況によって異なります。一般的に、以下の傾向があるようです。

  • 前歯:セラミック > ジルコニア(審美性重視)
  • 奥歯:ジルコニア > セラミック(強度重視)

とはいえ、「どちらが良いか」は治療する部位や個人の状態、何を優先するかによって変わりますので、歯科医師と相談して決めるのがベストです。

セラミックとジルコニアは前歯だとどっちがいい?

前歯は笑ったときに見える部分であるため、大抵は透明感のあるセラミックが適しています。セラミックは天然歯のような透明感と色調を再現でき、自然な見た目に仕上がります。

前歯は比較的力がかからない部位であり、セラミックの強度でも十分対応しやすいでしょう。ただし、歯ぎしりが強い場合など、状況によっては高透過性ジルコニアも検討する価値があります。

セラミックとジルコニアは奥歯だとどっちがいい?

強度の高いジルコニアであれば、奥歯が適しているといえます。奥歯は食べ物を噛み砕く役割があり、強い力がかかる部位だからです。

ジルコニアは割れにくく、歯ぎしりや食いしばりがある方でも安心して使用できます。ただし、噛む力が弱い方や審美性を重視する場合、また上の歯を摩擦で減らしてしまうリスクのある方は、セラミックも選択肢に入れてください。

セラミックとジルコニアはどっちが高い?

一般的には、ジルコニアの方が高価です

  • セラミック:1本あたり8〜15万円程度
  • ジルコニア:1本あたり7〜18万円程度

価格差の理由は、ジルコニアは素材自体が高価で、加工が難しいことで技工料も高くなるためです。ただし、医院によって価格設定が異なる点に留意してください。